■ベンチャービジネスとは、事業内容や提供手段及び経営手法の新規性、新市場の開拓、顧客の組織化等が求められる。
■ベンチャー企業には、少子高齢化、国際化、女性の社会進出、高度情報化、環境問題等これらの関連性を知っているか、また新時代の潮流をどう読むかが必要である。
■ベンチャー企業を生み出すために、共同事業などの形態で他社との連携を戦略的に位置づける企業が増加しつつある。
・「産学官連携」・・・大学・研究機関等の連携体制
・「分業型連携」・・・開発・生産・販売等、得意分野を補完しながらの連携体制
■日頃から産学官連携・産産連携(外部資源の活用)を戦略的に位置づけし、企業・研究者とのコミュニケーションを図りネットワーク形成による情報収集が大切である。
■産学連携を実施するには、大学と自社との役割分担、費用負担の明確化、研究成果の帰属の取り決め等の契約締結、また、実証に時間とコストが必要であることを改めて認識しておく必要がある。
■環境ビジネスは、入り口問題では原料として廃棄物が確保できるのか、出口対策では再生品の市場の確保が困難など、最初から、入り口、出口、運搬業者等連携をとったビジネスプランが必要である。
(6W Why What Where Whom Who When・2H How much How to)
■九州経済産業局の支援施策
・新連携対策費補助金(連携体構築支援事業・事業化市場化支援事業)
・新産業創造戦略に沿ったリスクの高い技術開発を支援
・事業化に直結する企業の大型の技術開発を支援
◎事例発表
題名「株式会社 新世紀発酵研究所の環境問題への取り組み
~バイオエタノールのお話し~」
講師 ㈱ネクファー 代表取締役社長 高原 謙藏氏
■九州大学発バイオベンチャーとして2001年に企業。
■事業内容
・二酸化炭素の循環を促進し、カーボンニュートラルな循環社会を形成すべく活動を展開していく。
・食品廃棄物からのエタノール生産“バイオエタノール(Bioethanol)”とは、再生可能資源(光合成産物)すなわちサトウキビや大麦、トウモロコシなどの植物資源から得られるグルコースなどを発酵させて作られたエタノールのことである。
・現在サゴヤシなど、光合成能力の高い植物バイオマスを、超高速連続発酵“ishizaki prosess”で、高効率にバイオエタノールに転換している。
■わが国におけるバイオエタノール混合ガソリン実証の取組
・北海道十勝地区・・・・・規格外小麦粉からの燃料用エタノール製造とE3実証
・山形県新庄市・・・・・ソルガム(こうりゃん)からの燃料用エタノール製造とE3実証
・大阪府堺市・・・・・建築廃材からの燃料用エタノール製造とE3実証
・岡山県真庭市・・・・・製剤所端材からの燃料用エタノール製造とE3実証
・沖縄県伊江村・・・・・サトウキビ(新品種)からの燃料用エタノール製造とE3実証
・沖縄県宮古島・・・・・サトウキビ(糖蜜)からの燃料用エタノール製造とE3実証
■今後の課題
・規格外作物・食品加工残渣を原料としたエタノール生産システムを国内に確立する。
・廃熱利用可能地域でのバイオエタノール設備水蒸気の有効利用。
・バイオエタノールを燃料やガソリンに混ぜ、行政との連携を図りエタノール使用車の製造を実現させる。
■バイオエタノールの研究だけでなく、ベンチャー企業としてやっていくためには!
・会社を株式化する。
・設備投資・資金集めのための企業支援活動を行う。
・バイオエタノールを生産販売していくためのベンチャーキャプチャーを説得する。
◎事例発表
題名「環境とバイオテクノロジーの融合を目指して」
~EGマイクロアレイの開発とその利用~
講師 ㈱エコジェノミクス 代表取締役社長 草野 輝彦氏
■事業の背景
・環境のモニタリング・・・個々の規制物質に対する化学分析が主体である。
・化学物質審査規制法の改正・・・ |
人の健康被害防止の観点から審査・規制されていた が、改正以降は環境中の動植物への被害防止の観点からも審査・規制判定をするようになる。 |
・内分泌撹乱化学物質問題・・・ |
SPEED ‘98からEXTEND2005へ幅広い基礎研究と科学的知見の蓄積1960年代以降の野生生物を対象に観察をすることで、農薬・ダイオキシン・生活排水等による被害が遺伝子的にどういった影響があるのかを調査する。 |
■事業の方向性
・化学物質の生物・生態系への影響を遺伝子レベルで評価・解析すること。
・化学物質の生物・生態系への影響評価用マイクロアレイ及びマイクロアレイを使用した評価手法を商品化する。(メダカ・マウスを主対象)
・メダカやマウス遺伝子によるマイクロアレイの作製と発現遺伝子サンプルの作製をしたところ、同一遺伝子間での発現量の差が解析結果として現れている。
通常発生しない遺伝子が発生する。
■EGマイクロアレイの利活用可能性
・河川等水質管理・・・ |
下水処理場排水水質評価
農村集落排水処理設備水質評価 |
・水道水質監視・・・ |
浄水場取水水質監視 |
・化学物質生物影響評価・・・ |
ダイオキシンの脳への影響
貴金属類・化粧品成分・洗剤・農薬・抗生物質などの
影響評価
機能性食品の有効性評価 |
◎事例発表
題名「地球に優しいプラスチックリサイクル」
講師 東方貿易公司 代表取締役社長 堺 昭彦氏
■廃プラスチックのリサイクル方法
・リサイクル方法として、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サーマルリサイクルの三種類がある。
マテリアルリサイクルは、ケミカルリサイクルと比較して費用的に安く行え、また、サーマルリサイクルと比較しても、再生原料として社会に戻るという形では、循環型社会に適していると思われる。
■社会環境
・現在、廃棄物の問題は社会で大きく取り上げられ、特にプラスチックは限りある資源石油から作られるために、製品や原料として再利用されるマテリアルリサイクルの重要性が高まってきている。
・2001年度日本国内
プラスチック生産量 1,388万トン
廃プラスチック排出量 1,027万トン
廃プラスチック有効利用 535万トン
・海外市場の重要性
マテリアルリサイクル147万トン中約40万トンが、再生樹脂で海外へ輸出されており、その中に含まれない再生ペレットの前段階の廃プラスチックも150~200万トンが輸出され海外において、有効利用されている。
■企業内容
・日本国内の製造工場内で発生した廃プラスチック
再生利用可能なものは再生ペレット化し、工場に返却(約1,500万トン/年)
再生利用不可能なものは選別後、海外輸出再利用(約16,000万トン/年)
(国外の黒ゴミ袋、農業用ビニールシート)
(国内製造会社 30社)
・マレーシア協力工場にて、商品名、企業名等の印刷がある袋・フィルムを再生ペレット化(約2,400万トン/年)
(販売 中国・台湾・インドネシア・マレーシア 20社)
◎パネルディスカッション テーマ“環境ビジネスを成功に導くには”
㈱ネクファー 高原氏
・攻めと守りのバランスをうまく
・上場というターゲットを考える
・ベンチャーキャピタル・キャピタルゲイン
㈱エコジェノミクス 草野氏
・技術がしっかりしていないといけない
・会社が大きくなってくると対応が粗雑になってくるので、お客様の対応をきちんと
・妥協せずあせらずできるところから
当方貿易公司 堺氏
・創業期2~3年は攻め
・守りと・・・競争がはげしいので今までのお客様には最低でも月に1階は会いに行く
・経営努力・・・二本足で立つ、ネットショップの新規事業(有機物石鹸・商品開発)
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